ワンちゃんのワクチンについて
一般的に“ワクチン”には次の2つが含まれます。
以前 ここで書いた『狂犬病』と今回書く『混合ワクチン』です。この『混合ワクチン』の中に、何種もの弱らせた病原体が入っていて、これを注射することにより免疫を作り病気にならないようにしているのです(当院では、6種または8種ワクチンを取り扱っています)。
混合ワクチンについて
イヌジステンパー・犬パルボウイルス感染症・犬伝染性肝炎・犬パラインフルエンザウイルス感染症・犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管支炎)・コロナウイルス感染症が6種混合ワクチンで、これに犬レプトスピラ感染症の2タイプを合わせたものが8種混合ワクチンです。
最初に犬を飼ったときにワクチンを複数回打つように本で見たり、ペットショップで言われたりすると思います。例外はありますが、なぜ一回では駄目なのでしょうか??
→ それは、新生仔が胎盤やミルクを通して親から病気に対する抗体(移行抗体)をもらい、生後 しばらくの間はその抗体を持って生活しているからです。この抗体がある間にワクチンを接種しても新生仔には抗体がうまく出来ません。自分で免疫を作る前に移行抗体がワクチンで入れた弱った病原体を捕まえてしまうからです。しかしながら、この抗体は生後2~4ヶ月するとなくなります(病気によりなくなる時期が異なります)。そのため、移行抗体がなくなっていると考えられる時期に数回ワクチンを接種して、自分で免疫をつけ抗体をつくり、怖い病原体の感染を防ぐのです。接種の仕方はいろいろ言われていますが、当院では、飼い始めの年齢により異なりますが、初年度3~4週間おきに2~3回、その後1年に1回という接種方法を基本にしています。このワクチン接種後に他のワクチンを接種する場合は1ヶ月あけます。
ワクチンの副作用
一過性の元気食欲減退・疼痛・腫脹・発熱・嘔吐・下痢などが能書に書かれている一般的な副作用です。実際に診たり、飼い主さんに聞いた副作用は、接種した日に接種部位に疼痛が残りその部分に触れられるのを嫌がった、食欲元気がなくなったなどがあります。過敏な体質のコでは、稀に重大な副作用を起こすことがあります。アナフィラキシーショックと言われ、虚脱・貧血・血圧低下・呼吸速拍・呼吸困難・体温低下・体温低下・流涎・震え・痙攣などの症状を起こし、最悪の場合、命を落とす事があります。このアナフィラキシーショックはすぐに起こる(すぐに院内で対応できます)ので、おうちに帰ってから起こることはありません。ただ、おうちに帰ってから起こる反応として、アレルギー反応(顔面腫脹、掻痒、蕁麻疹)があります。その日のうちに起こり症状が激しくなければ特に治療の必要はありませんが、万が一このような症状が出たらすぐに連絡してください。