オゾン療法の効果
当院で“オゾン療法”が可能になって約9ヶ月が経過しました。
免疫強化や代謝改善・皮膚疾患の治療などの効果を期待して導入し、一定の効果が認められたので、一度 報告したいと思います。勿論、同じような症状で使用しても全く効果のなかったケースもあるので、“効果があるかもしれないかな”といった感じで読んで下さい。オゾン療法は補助療法ですので、始めは投薬などの基本的な治療も行っています。
○最も頻繁な“皮膚疾患”への適用。
膿皮症、アカラス(毛包虫症)、アトピー性皮膚炎などなど。経腸法であれば、ほとんどのコが容易に受け入れてくれて、短時間で行えるため、症例としては多くなります。この中でも特に効果が認められたのは、悪化しているアカラスやアトピー性皮膚炎です。臭いの軽減や発毛作用、痒みの減少が認められました。また、ステロイドの減量が難しかったケースでも大きな効果(ステロイドの減量または中止)を挙げることが出来ました。無菌性皮下脂肪識炎や突発性の蕁麻疹には経腸法や少量自家血療法などを併用して良好な状態を維持することが出来ています。また、脂漏症などの体質的なトラブルでは体質改善に僅かながら効果が見られています。
○“腎不全や肝疾患”への適用。
慢性腎不全は“治る”事のない病気です。この病気に関して、今 行っている治療は経腸法やMAHを定期的に行って慢性腎不全の進行を抑える事です。年単位での経過が分からないのではっきりした事は言えませんが、初期~中期腎不全であれば可能性があるのでは…と感じていますが、末期になると正直、厳しいです。現行の治療を行いながら、QOLをあげる事は可能だと感じています。試験的に幹細胞を同時投与したケースでは、数値の改善も見られました。
急性・慢性肝疾患に関しては一定の効果が期待できると思います。無症状~症状あり(元気消失や食欲不振、嘔吐、黄疸など)で、QOLの改善と共に肝数値の改善も見られました。勿論、投薬などの治療を併用して行っているケースが多いので、単独での治療効果に関しては疑問が残るのも事実です。ただ、“オゾン療法を実施した方がQOLが上がり、良さそうだ”と言う事は言えるのではないでしょうか。
○“脊髄疾患”への適応。
頻繁に目にする椎間板疾患。ヘルニアの程度が悪くなればなるほど、内科療法より外科療法(手術)の方が治療効果を上げることが出来ます。オゾン療法はこの内科療法や外科療法に組み合わせる事で、消炎・鎮痛効果や起立~歩行の補助効果が期待できます。中には、起立困難だったコが起立・歩行できるようになった場合もあります(かなり珍しいケースだと思います)。
○“その他の疾患や免疫増強効果”に。
オゾン療法を行う事で、免疫機能の活性化による抗腫瘍効果も期待されていますが、今の所、オゾン療法のみでの維持は難しいようです。抗癌剤やその他の免疫療法と組み合わせた方が効果が高いように感じています。また、高濃度ビタミンC療法と組み合わせる事で相乗効果が期待できますし、実際、効果も感じています。ウイルス性疾患(猫エイズや白血病、パルボウイルスなど)に関しては、通常の治療に組み合わせる事で治療効果が増します(良い状態が長く維持できます)。こういった効果は、オゾン療法をする事で自身の持つ免疫機能の活性化や代謝促進作用が効果を示していると考えられます。元気になった、食欲が良くなったなどの感想が多く寄せられるのはこのためだと思います。
オゾン療法を行うことによる弊害や副作用は今の所、認められません。オゾンの投与方法の違い(経腸法や皮下注射、少量自家血液療法、大量自家血液療法)によっても、副作用が確認された事はありません。
*今回挙げた症例は日常的によく目にする疾患(=使用頻度の多い疾患)のみです。様々な症状のコに積極的に使用しているので、興味のある方や質問のある方はお気軽に御連絡下さい。