狂犬病、フィラリア、ノミ・ダニの予防シーズンです!
① 狂犬病について
狂犬病予防法により、生後91日以上の犬は1年に1回の狂犬病の予防接種が義務づけられています。現在、*日本で狂犬病の発生はありませんが、いつ、どのような形で海外から病気が入ってくるかわかりません。実際、世界では毎年約5万人の死者が出ています(報告ではインドが最も多いみたいです…)。狂犬病に感染し、発病すると治療法はなく、ほぼ100%死に至ります。
国内での狂犬病の流行を防ぐためには、全体の70%が予防接種を済ませていなければなりません。流行を防ぐためにも、皆さん、接種しましょう!
(当院でも接種できますので、役所からの葉書を持ってご来院下さい。勿論、葉書が無くても接種は可能です。はじめての方は、何も用意しなくて大丈夫です。)
*:日本国外で犬に噛まれたことが原因で、帰国後、狂犬病を発症し死亡した事例は過去に3例あります。
②フィラリアについて
フィラリアとは蚊によって媒介される犬糸状虫(Dirofilaria immitis)というソーメン状の虫が犬の心臓や肺の血管に寄生して各所に障害をもたらす病気です。咳や食欲・元気の低下、呼吸が速くなったり、お腹に水が溜まって膨らんだり、失神して倒れるといった症状を引き起こします。症状が進むと最悪の場合、死に至ります。
この病気は薬によって感染を防ぐことができるので、蚊の出始める春から秋~冬にかけて(5月中旬~12月中旬まで)1ヶ月に1回の飲み薬を飲ませます。この薬は、蚊に刺されて感染した幼虫が心臓に辿り着くまでに撲滅するものです。
フィラリアの予防薬を飲ませはじめる前には前年の予防ができていたかのチェックの為、血液検査を行いましょう。万が一、フィラリアに感染していた場合に薬を飲むと、ショックを起こすことがあるので注意が必要です。
(当院では、お腹の虫下しも一緒に入ったタイプの薬も置いています。ご希望の方は、スタッフまで)
③ノミ・マダニ
ノミ・マダニ寄生は寄生そのものよりも、それによるアレルギーや寄生したノミやダニから感染する病気のほうが問題になります。ノミの場合は、アレルギー体質の子はアレルギー性皮膚炎がひどくなったり、腸内寄生虫(条虫)の運び屋になったりもします。感染すると下痢などの腸炎を引き起こします。もし、予防をしていない子に、ノミが1匹寄生しているのを見つけたらその何十倍はいると思って下さい。室内でノミのサイクルが出来上がり大発生しているの危険性もあります。
一方、ダニもバベシアといった病気を運んだりします。この病気は、赤血球を壊し貧血を起こし、発熱,元気消失,食欲不振といった様々な症状を起こします。治療が遅れた場合、死に至る恐ろしい病気です。
動物以外にも、人に感染する病気も多く持っています。ノミでは、「猫ひっかき病」があります。この病気はノミが猫から猫へ媒介します。猫に症状は出ませんが、これに感染した猫に引っかかれたり咬まれたりすると、リンパ節が腫れて発熱や頭痛をおこしてしまいます。ダニもライム病、Q熱などを媒介します。
人と動物と両方の健康を考えてノミ・マダニの予防をしましょう!