糸を残さない手術について
以前 お話しした『縫合糸(反応性)肉芽腫』を回避する、最も簡単な答えは「縫合糸を使わない事」です(無結紮手術)。しかし、外科手術に際してはどうしても縫合しなければならない状況、特に何か臓器を摘出(例えば、卵巣子宮や睾丸、脾臓などの摘出)する場合、血管を縫合糸で結紮する必要があります。この「糸による血管の結紮」を特殊な器械を用いることで不要にする事ができます。それが当院で導入している手術機器“リガシュア(Liga Sure System)”です。これは、特殊な電気によって素早く、そして確実に血管を閉鎖する装置です。周りの組織に関わらず、直径7mm以下の血管を組織同士でシールするため、緩みなく安全に止血することが出来ます。また、手術時間の短縮=麻酔時間の短縮につながるため、動物の負担を軽減できる事も利点の一つといえます。何よりこれにより「縫合糸反応性肉芽腫」の心配はなくなります!
当院では、去勢・避妊手術の際には必ず使用しています。もし、不明な点がありましたらお気軽に電話、メールなどで問い合わせ下さい。