脊髄軟化症について
多くは椎間板ヘルニアに伴って発生し、脊髄神経が軟化する(融解=溶ける)ことにより引き起こされる脊髄疾患の末期的状況です。
原 因
椎間板ヘルニアによる脊髄出血と脊髄動脈が圧迫され血流障害が起きることによる虚血性壊死の結果、脊髄神経細胞自体がダメージを受け、壊死し、軟化が始まると言われています。後肢麻痺を示す重度の椎間板ヘルニアの犬の約5%に発生するとされ、72時間以上かけて上向性(頭部方向)下向性(尾部方向)に症状が進行していきます。最終的には、呼吸に関わる筋肉の麻痺が起こり、呼吸困難・心肺停止により命を奪います。手術の前や手術後に起きることもありますし、術中に脊髄神経の様子から予測できる場合もあります。
症 状
初期には椎間板ヘルニアと同一の症状(後肢が立たない・力が入らないなど)ですが、時間の経過と共に軟化が広がっていくため、後駆麻痺・四肢麻痺が急速に進行していきます。
治 療
残念ながら現段階では明確な治療法はありません。軟化が始まると回復が不可能な状態へと進行していきます。