甘噛みについて

子犬の時期、飼い主さんから “甘噛みに困っている” という話を聞くことがあります。甘噛みという行動は、ほぼ全てのわんちゃんの幼少期に見られる行動で、特別な行動ではなく、ごく当たり前の自然な行動です。ただ、この自然な行動をそのままにして許しておくと、大人（成犬）になって大きな問題行動 ＝ 次第に強く噛むようになったり、成犬になっても甘噛みの癖が残ることもあるため、小さい時にしっかり噛んで良い物と悪い物の認識をつけましょう。
では、何故、甘噛みをするのか？
→ 甘噛みをする主な理由は、以下のようなものが考えられています。
○　噛んで遊びたい・遊んでほしい！
○　犬の狩猟本能で動く手や足が面白くて捕まえたい・かじりたい！！
○　乳歯から永久歯に生え変わる時期、ムズムズして痒い！（生後6～7ヶ月頃）　など
こういった理由を理解しつつ、甘噛みに対して対処していきましょう。
◆対処していく上での注意点◆
甘咬みをやめさせる時に注意したい事が一つあります。それは、家族のみなさんが統一して行うという事です。“どの程度で遊びをやめるのか、無視するのか” など、少し細かいですがある一定のルールを作る事で、わんちゃんが混乱する事が少なくなり、甘噛みの卒業を早くする事が出来ます。
何より、焦らずやっていくという事が重要です！
◆まずは、わんちゃんの “噛みたい” という欲求を満たしてあげましょう◆
手を噛ませていると、人の手は噛んでいいものと覚えてしまうため、噛んでも良いおもちゃ（ロープやコングなど）を使って遊びます。他にも、散歩が好きであれば散歩に連れ出すなどして、噛みたい欲求を別の楽しいことで発散させてあげます。
※ワクチンが済んでいなければ散歩により病気に罹る恐れがあるため、抱っこをして歩くだけでもOKです。
◆実際に甘噛みをしたときの対処法◆
わんちゃんが甘噛みをしてきたとき、最も効果的なのは “無視をする” ことです。わんちゃん（特に幼少期）にとって、飼い主さんにかまってもらえないことが何より耐えがたい事なのです。 “ダメ！” と叱ってもわんちゃんには言葉の意味が理解できませんし、逆に興奮し、甘噛みがエスカレートする事もあります。ですので、甘噛みをしてきた場合は、
甘噛みをした
→　無視をされ、かまってもらえなくなった
→　楽しいことも終わった
→　甘噛みをしない方が良さそう…
と、体験させ感じさせる事が重要です。
多少 面倒ですが、下記のようにしてみて下さい。
①　甘噛みをしてきたら、「痛い！」と大きな声で言います。声に驚いて口を手から離す位、ハッキリと大きな声で言います。
②　口を手から離したら、すぐに手を咬まれない位置に持ってき、立ち上がって子犬に背を向けて無視をします。じゃれてきても、目を合わせたり声はかけず、徹底して無視します。
③　無視したまま別の部屋へ行き、子犬を部屋にひとりぼっちにします。この時、部屋におもちゃ、いたずらでかじったりできるような物を残していかないようにしましょう。ひとりぼっちの状態で遊んだり、いたずらできるような物があると、逆効果となります。噛んだことで、“楽しいことが中断され、ひとりぼっちにされた” と印象づけることが大切です。
④　少しの間、一人にさせたら何事もなかったように部屋へ戻ります。遊びの再開をしても良いですが、再度、噛むようであれば同じ事を繰り返します。
＊一人にさせる時間を長くするほど効果があるというわけではないため、長く時間をおく必要はありません。1～2分程でも充分、効果的です。
この①～④を再度繰り返し、わんちゃんに “噛むとイイことがない” という事を理解させ、甘噛みを卒業させましょう！！