耳の治療
耳が痒くなったり、赤くなったりする事は珍しいことではありません。
特に耳が垂れている品種やアレルギー体質で皮膚の弱いコでは、耳道の炎症である ”外耳炎” は多く見られます。
根本的な原因は様々ありますが、耳道に耳垢(茶色~黒色のネットリしたものや黄色っぽい膿のようなものなど)が多くある場合には、適切な時期に適切な方法で取り除く必要があります。
ただ、外耳炎を繰り返したり、耳に痛みがあるコでは耳を触ったりすることを嫌がるコも多く、耳のケアが適切に出来ないことも多くあります。
耳道に耳垢が多くあり、それが耳の痒みの原因になっている場合の治療法についてお話しします。耳垢により問題が起きている場合、 ”オトスコープ(耳の内視鏡)” の使用が効果的です。
オトスコープは、外耳炎の子に鎮静(少し力を抜いてもらってウトウトしてもらう処置)をしてから鼓膜や耳の中の状態を確認して、耳の中を洗浄していきます(場合によっては、全身麻酔下での処置となります)。
写真を見てもらうと分かりやすいはず!
洗浄前 洗浄後
茶色の耳垢で覆われて見えなかった鼓膜(洗浄後の中央にみえる白い部分)が見えるようになります。
少し耳垢が残っているので、もう少し洗浄して肉眼的になくなるまで耳を洗っていきます。この子の場合は、耳道に炎症などが少なかったため、直ちに処置が可能でしたが、痛みが強かったり、耳道の炎症が強く耳の穴が狭くなっている時にはまず投薬などで炎症を引かせてから処置になります。
外耳炎の初期であれば1回の処置で落ち着くことがありますが、慢性経過の子では定期的な処置が必要になります。ただ、効果はバツグンです!
勿論、また悪くならないように定期的な検診や洗浄は必要になりますが、なかなか治らない外耳炎には試す価値はあると思います。外耳炎が長引くと外科的に耳道を切開したり、全てを取り除く手術しなければいけなくなるので、早いうちにキッチリ治していきましょう!